全国山村振興連盟
                  会 長 中 谷  元


 皆さん、明けましておめでとうございます。
 一昨年暮れの総選挙において、自由民主党が政権に復帰致しました。今は、責任与党としても、私個人としても、身を引き締めて邁進しております。
 農林業におきましては、改革を着実に継続していかねばなりません。農業におきましては、6次産業化を推し進めるとともに、農地を担い手に集中して大規模化を進め、農業所得を増やしていかねばなりません。
 林業においては、「山は宝」との考え方のもとに、林業に携わる人達の働きやすい環境をつくって参らなければなりません。また、中山間地域振興、集落機能の維持も大事な課題です。これらの重要な課題に正面から向き合って挑戦して参りたいと考えております。
 私ども全国山村振興連盟は、山村地域で日夜その活性化と住民の生活向上にご努力されている市町村の首長の皆様方と我々国会議員が力を合わせて山村地域の振興に努めることを目的といたしております。
今後も力を合わせて頑張って参りましょう。
 いつも申していることですが、この大変な時期、日本人としての絆の大切さを再確認しなければなりません。大震災の時に示された日本民族の底力、全国各地で日本人同志が、地域では村の住民が危機意識を共有し、お互いを励まし、助け合い、限られた資源を節約しあう日本民族の原点である大和心、自然と共存し、自然を崇拝する文化がそれです。世界中の人々が称賛した日本人の協調性に富んだ人格のすばらしさを見直さなければなりません。こうした絆の気持ち無しには、この国の将来は危ういものとなります。
 そのような恵みの心ともいうべきもの、それを育くみ育ててきたのはまさに日本のふるさとであり、食料、緑、水の源である山村地域における文化と生活です。
日本の山村はまさに日本民族の底力の源です。我々はこれまでの経済効率最優先の発想を転換し、日本人の価値観を守ってきた山村地域の役割が見直されなければならない時代になったという認識を共有しなければなりません。
 人口のわずか数パーセントの人達が国土の半分を占めている農山村を守る、このことが国の基本政策の中でいかに重要な位置にあるのか思いを馳せねばなりません。地方を疲弊させる物質文明の自然淘汰の流れからふるさとを守っていくことの重要性を国民の間に強く広げるための今は議論の時ではないかと思うわけです。
 しかしながら、山村の過疎化、集落機能の衰えは、続いております。こうした厳しい現実のもと、また、国の財政事情も逼迫した中で、我々はふるさとを守っていかなければなりません。
 市町村長さん、都道府県の会員の皆さん、そして国会議員、我々が心をひとつにして一丸となって、森林環境税の創設、地方交付税の重点配分などの税財政措置を講じ、都市との格差をなくし、山村を振興するための財源を確保することが必要です。
 更に、平成27年3月には、山村振興法の期限が参ります。山が荒れ、集落機能の劣化が見られる今日、山村振興のための根拠法としての山村振興法の必要性は、高まることはあっても弱まることは断じてありません。その延長と内容の充実に向け、連盟も務めてまいります。
 今後とも、皆さんとともにお互い危機感を共有し、力をあわせ、山村地域が元気になり、日本中の山村が美しく幸せな村となるよう、ひいては、日本全体が生き生きとした力を取り戻すようにするため、全国山村振興連盟を中心として取り組んでいこうではありませんか。
 年頭にあたり、今年の抱負を述べ、私のご挨拶とさせていただきます。



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