政府は、経済財政諮問会議からの答申を経て、「再生の10年」を実現する明確な道筋を示した基本戦略として、「経済財政運営と改革の基本方針〜脱デフレ・経済再生〜」を平成25年6月14日の閣議において決定した。 全体の構成は次のようになっているが、ここでは、第2章の「4.地域・農林水産業・中小企業等の再生なくして、日本の再生なし」を紹介します。 第1章 デフレ脱却・日本経済再生と目指すべき姿 第2章 強い日本、強い経済、豊かで安全・安心な生活の実現 第3章 経済再生と財政健全化の両立 第4章 平成26年度予算編成に向けた基本的考え方 4.地域・農林水産業・中小企業等の再生なくして、日本の再生なし 地域自らが経営改革に取り組むとともに、それぞれの地域が独自の付加価値を創造し、自立的に発展できるよう、現場の視点に立って、環境整備を進めることを通じて、地域を再生する。 農林水産業は、地域の活力を創造する上で極めて重要である。多面的機能を発揮しつつ、農林水産業が成長産業となり、美しく伝統ある農山漁村の次世代への継承を目指す。 また、地域の中小企業・小規模事業者は、製造業からサービス産業まで我が国の産業基盤を広範に形成しており、その躍進を図ることは、地域経済の再生をもたらし、さらには我が国の国際競争力の底上げにつながるものである。一方で、地域の中小企業・小規模事業者には景気回復の効果が及んでいないという声もあり、政府としては、こうした地域・中小企業・小規模事業者の実情を正確に把握するよう努めるとともに、その特性に応じた対応を講ずることにより、地域経済の活性化を図る。 (1)特色を活かした地域づくり (都市再生・まちづくり、地域活性化等) 国際競争力のある大都市を形成する。官民の地域の多様な関係者が連携して地域の戦略に基づき、民間の知恵や資金を活かした都市再生や公共交通の活性化を、不動産証券化等の手法も活用しつつ、多様な支援策を通じて推進する。上記の取組を可能とする不動産情報や関連する基準の整備を推進する。国際会議の誘致やシティ・セールスの推進、都市災害に対する脆弱性の克服、競争力を強化する交通インフラの整備や老朽化したインフラの対策を集中的に進める。 人口減少や高齢化が進展する地方都市においては、上記の連携を活かし、民間の知恵や資金を活用しつつ、それぞれの地域戦略に基づき、コンパクト・シティやスマート・シティを実現・拡大するとともに、公共交通の充実や高齢者等が安心して暮らせる住宅の整備等を行う。また、環境モデル都市等の地域活性化や持続可能な地域づくりに向けた取組を推進する。 さらに、まちづくり等においてグリーン成長のための仕組みの活用を推進する。 広域的な交通基盤を通じて、地域独自の資源や伝統文化などを活かした観光振興等により交流人口を増やす。 「地域の元気創造プラン」を通じて、産・学・金・官の連携のもと、民間の資金を活用して、地域のイノベーションサイクルを構築し、雇用の拡大を図るとともに、エネルギー・インフラや公共クラウドなどの地域の基盤整備を進める。 また、過疎地域や、離島・奄美等、半島を含む条件不利地域においては、航路、航空路等を含めた必要な交通基盤を維持するとともに、民間活力を導入しながら生活支援機能及び定住環境を確保し、集落の活性化を図る。 地域における課題解決や地域活性化の上で重要な役割を果たしているNPO の活動、ソーシャルビジネス等を、人材、資金、信頼性向上の点から支援するため、中間支援組織の体制強化や地域における協力・連携体制の整備等を促進する。 また、特区の取組を活性化させる。 (2)農林水産業・地域の活力創造 生産者の減少と高齢化の進展、耕作放棄地の増加等の構造的問題に対応し、競争力強化の観点から、担い手への農地集積・集約、6次産業化、農林水産物・食品の輸出拡大、科学技術イノベーションの活用等を進めるとともに、経営所得安定対策(旧:戸別所得補償制度)を適切に見直し、あわせて、農林水産業の多面的機能の発揮を図る取組を進め、新たな直接支払制度の創設を検討する。また、森林・林業について、新たな木材需要の創出や国産材の安定的・効率的な供給体制の構築等に取り組む。さらに、水産業について、水産物の消費・輸出拡大、持続可能な漁船漁業・養殖業の実現に不可欠な基盤整備の推進等を図る。攻めの農林水産業を展開し、農林水産業を成長産業にする。美しく伝統ある農山漁村を次世代に継承する。また、食の安全を確保し、消費者からの信頼を確保する。このため、「農林水産業・地域の活力創造本部」において、具体的な方策をできるだけ早期に取りまとめ、実行に移す。 (3)中小企業・小規模事業者の躍進 全国420 万の中小企業・小規模事業者は、地域経済のみならず、日本経済の活力の源泉であり、またその成長を支える原動力でもある。これら中小企業・小規模事業者の更なる躍進を促すため、地域資源等の活用・結集・ブランド化、参入障壁の低減による医療、環境分野等新たな成長分野への進出促進、海外展開を目指す企業に対する支援体制の拡充・強化等を通じた国際展開の支援に取り組むとともに、ものづくり産業の強化を図る。あわせて、地域の起業・創業、事業引継ぎ・事業承継、再チャレンジを促進し、新陳代謝を図る。コンパクト・シティの形成、商店街や中心市街地の活性化を支援する。また、地域の実態を踏まえ、公共調達における地域の中小企業・小規模事業者に配慮する。消費税率の引上げに際して消費税を価格に転嫁しやすくするための環境を整備する。さらに、地域経済の安定と我が国経済社会の発展に寄与するという観点から、小規模事業者の事業活動を活性化させるための施策を推進する。 |