全国山村振興連盟は、平成22年10月28日(木)午前10時30分から千代田区永田町の全国町村会館2階ホールにおいて平成22年度第2回理事会を開催した。
 最初に、脇本哲也会長代行から挨拶があり、次いで、国会議員役員である中谷 元衆議院議員、吉野正芳衆議院議員、谷 公一衆議院議員から挨拶がなされた。
来賓として出席された農林水産省農村振興局 小林厚司中山間地域振興課長、総務省自治行政局 濱田厚史地域力創造グループ地域振興室長及び林野庁森林整備部 本郷浩二計画課長から挨拶がなされた。
 その後議事に移り、脇本会長代行が議長を務め、第1号議案 会長の選任に関する件、第2号議案 顧問の委嘱に関する件、第3号議案 平成23年度山村振興関連予算・施策の要望(案)に関する件及び第4号議案 決議(案)について審議が行われた。
 その後、小林課長、濱田室長及び本郷課長からそれぞれ当面の課題等について説明があった。
 理事会の内容は、次の通りとなっている。
 
【脇本会長代行の挨拶要旨】
   本日の理事会に、国会議員の役員の方々、山村関係省庁の方々には、公務ご多忙の折、ご臨席を賜りまして、感謝申し上げます。
   また、理事、監事の皆様には、大変お忙しい中、遠路お集まりいただきまして、有難うございます。日頃当連盟の運営につきましては、格別のご支援と御協力をいただいていますこと、お陰様で当連盟が山村振興のためにいろんな面で活動できていることに感謝申し上げます。
   わが国におきましては、昨年の政権交代以降、普天間基地の移設問題や尖閣諸島をめぐる問題、円高の進行をはじめ、政治・経済ともに混迷を深めていますこと、ご案内のとおりであります。
   このような状況を打開するためには、なんと申しましても、振興山村、農山村、離島などの人口流出の続く地域の振興策を見直すことが肝要であると思います。
   すなわち、農山漁村の活力を取り戻すことが都市を含む我が国全体の発展につながるのだという考えを、国の基本施策の中に、明確に位置づけていかなければならないと思います。
   しかしながら、国の予算は、22年度はもとより、23年度概算要求を見ましても、農山漁村関係につきましてはますます厳しくなっております。
   このような状況に対処して、農山漁村の活力を取り戻していくためには、我々連盟の会員が一体となって、力を合わせて、国の23年度予算編成に向けて関係方面に働きかけていくことが必要です。
   本日の理事会では、お手元の議題にありますように、役員の選任のほか、山村関連の23年度予算・施策に関する要望案等につきまして、ご審議いただくこととしております。
   ご審議の結果を踏まえて、政府の23年度予算編成に向けて、来る12月2日の総会後、関係省庁等に要請活動を行って参りたいと存じますが、役員の皆様方におかれましても、地元の関係者の皆さんに農山村の窮状を訴え、予算獲得にご尽力いただきますよう、お願い申し上げます。
   併せまして、スムーズな議事進行にご協力いただきますよう、お願い申し上げ、開会のご挨拶とさせていただきます。
 
【中谷 元 副会長(衆議院議員)の挨拶要旨】
   今年は大変暑い夏でありました。私の郷里でも今祭りのシーズンで、私も神社のお当家 を務めさせていただきましたが、今年はクモやヘビが例年より倍いる。また、クマ、イノシシ、シカ、サルなどが里山に降りてきて、非常にいろんな迷惑を及ぼしている。また、昨日からは大雪で北海道では10月では初めてラッセル車が出動したということで、異常事態であります。この政界も政権交代以降その方向性、先が見えない状態でして、永田町にいる私共も現在国会開会中でありますが、来年の予算や今年の補正につきましても、本当にどうなのか、林業や地方交付税、農業の問題につきましても、非常に先が憂慮される状態でして、やはり、こういう時期におきましては、なんだかんだいいましても、予算の獲得が大事でありますので、皆様方とともに、山村振興関係の予算の確保に向けて全力をあげて取り組みたいと存じます。
   
【吉野正芳 理事(衆議院議員)の挨拶要旨】
 
 今、名古屋で生物多様性を保全していくためにCOP10、生物多様性条約締結国会議が全世界から5千名を越える方々が参加して開催されており、27日から29日までの3日間で閣僚会議が行われています。昨日27日に管総理が演説を行いまして、生物多様性を保全していくために、今後3年間で20億ドル、1ドル100円にして2,000億円を拠出するという爆弾宣言をしましてびっくりしました。
   私達の住んでいる中山間地域は正に生物多様性の宝庫でありまして、ここに新しい価値を付けていく、これがこれからの世界の流れになってまいります。そう言う意味では上の方にはフォローの風が吹き始めました、でもきちんと帆を揚げないと、いくら追い風が吹いていても帆を揚げて自分の所に風を引き入れないとただ見過ごしてしまうことになります。当連盟においても生物多様性という視点から地域振興のために努力していかなくてはならないと思います。
   
【谷 公一 理事(衆議院議員)の挨拶要旨】
   私は、中谷先生が委員長をしている自民党の山村振興特別委員会の副委員長、中谷先生が会長をしている林政調査会の事務局長を、また、山口先生が委員長をしている過疎対策特別委員会の事務局長を務めさせていただいております。様々な問題があり、この春は過疎法の延長ということで、我々も初めて野党で、政府側、与党側との折衝も大変苦労しましたが、平成の大合併が一段落する6年後までの延長を実現しました。また、いわゆるソフト対策もはじめて、ある意味では画期的ではないかと思っていますが、ソフトの様々の対策にも7割の支援措置という新たな制度を創設したところであります。
   そうはいいましても、山村地域は私も兵庫の但馬の方で育ちましたが、様々な問題があります。一昨日も農林水産委員会で有害鳥獣対策の本年度予算が前年度より2割もカットされている、そういうことについて厳しく政府側を問いただしました。また、来年度も相当の森林整備の予算が要求されていますが、それがくまなく全国の山村地域において事業実施できるかどうか、集約化あるいは搬出間伐に絞った施策であれば多くの地方は対象になりませんので、そういったことがないように、政府の姿勢を糾したところであります。
   しっかりと、諸先生方とともに山村振興のために頑張ってまいりたいと思います。
   
 ◎挨拶をいただいた方以外の政府関係の出席者(敬称略)  
   
  林野庁森林利用・山村振興室長       厨 秀俊
林野庁森林利用・山村振興室課長補佐   井上智晴
農林水産省 中山間地域振興課課長補佐 猪股英史
農林水産省 中山間地域振興課調整係長 進藤栄治
   
【議 事】
  脇本会長代行の議長のもとに議事が進められた。

○ 第1号議案  会長の選任に関する件
  尾崎副会長から中谷 元副会長(衆議院議員)を会長に選任することが提案され  、全員の賛成により、中谷 元衆議院議員が会長に選任された。
  その後、中谷会長から就任の挨拶が行われた。
   
【中谷 元 会長 就任挨拶要旨】
   このたび、若林前会長の後を受けて、会長にご推挙いただきました中谷 元でございます。お見かけどおりの若輩でございますが、出身は土佐の高知でございまして、今、龍馬伝がNHKの大河ドラマで放映されていますが、龍馬伝においての船中八策の第二項が「万機宜しく公議に決すべき事」ということで、やはり国民の力で世の中を変えていったということであります。今まさに、時代のいきづまりということにおいては、山村の過疎化、高齢化が今の仕組みではもう限界に来ておりまして、抜本的に制度のあり方を変えていかなくてはならない。こういう運動を進めて行く上において、この連盟においては全国の667の市町村長、39の都道府県知事、107名の国会議員を擁しておりまして、こうした力を結集して、なんとか国土の半分を占める中山間、農山漁村の活力を取り戻すということは国の基本政策の中で最も重要な位置づけを持たなければならないことであると認識をしております。今日の日経新聞に、中国においても環境税を導入して都市と地方の格差を是正していくという政策決定がされると報道されている。環境税の創設ということも当連盟の中心的課題のひとつでありますし、農業、林業の振興をどうしていくかという問題に関しても、皆様方とともに山村振興運動の先頭に立って全力で取り組む所存であります。皆様のご指導、ご鞭撻ををいただきまして、一つでも二つでも良い結果がでるように対処してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
   
○ 第2号議案
   川上事務局長からこれまで会長を務めてこられた若林正俊前参議院議員を顧問に委  嘱することについて承認いただきたいとの提案があり、全員の賛成により承認された。
   
○ 第3号議案  平成23年度山村振興関連予算・施策の要望(案)に関する件
   川上事務局長が内容の説明を行った後、要望の内容、要望事項実現に向けた取り組 み等について意見交換が行われそれを踏まえた対応を行うことで原案通り承認された。
 
  
○ 第4号議案  決議(案)
 
川上事務局長が内容の説明を行い、原案通り承認された。
 



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