〈国土審〉
山村振興対策特別委員会第4回企画部会開催される


 国土審議会山村振興対策特別委員会第4回企画部会が、去る5月20日午後2時から通商産業省別館944号会議室において開催された。
 会議は、国土庁長官官房照井審議官の挨拶のあと、本日の議題である「新たな山村振興対策の検討について」に関し、安橋部会長を座長として討議がなされた。
 本日の企画部会では、先ず最初に長野県北安曇郡八坂村の大日向村長から山村留学が児童・生徒に与える教育的効果等について、また、筑波大学の飯田教授から、キャンプ等の野外学習が青少年の情操面に与える効果等についての説明が行われた。
 説明のあとは、各委員から質疑応答があり、引き続き、上記の説明を踏まえながら、平成11年度からの新たな山村振興対策の在り方についての議論がなされ、約2時間余にわたって熱心な討議が行われた。
 なお、本会議において、各委員から出された主な発言内容は、次のとおりであった。

(主な発言内容)
山村留学が都市の子供達に良い影響を与えるのは、はっきりしている。しかしながら、どのような山村においてでも山村留学が成功するということではなく、当該山村が有する文化の豊かさや受け入れ体制の整備が重要な要素となり、山村側の意識改革が必要である。
野外学習の効果として、もう一つ上の目標を達成したいという達成動機が高くなるということがある。また、野外学習が果たす重要な役割として、環境教育があり、植林や下刈等の実体験を通じて、緑、水、土、動物のことを学ぶことができる。
キャンプは、心に障害をもつ子供達にいい影響を与えることが、これまでの取り組みの結果、実証されている。
指導者の養成やフィールドの確保等野外学習を広めていくためには、民間の組織化が重要であり、また、行政としても、全国へ体験学習の重要性等を積極的にPRしていくことが必要ではないか。
山村の担い手として、どのような人達をターゲットとして育成・確保していくかが重要な問題である。農林業の担い手としてのみとらえるのではなく、幅広い視点から担い手をとらえていくことが重要である。
山村地域の担い手としては、女性や高齢者が重要である。特に高齢者を山村の活性化にいかにして結びつけていくかが重要な課題である。
上下流の連携をいかに推進していくかが重要であるが、水が大切だからといった一つの要素による連携ではなく、教育の場の提供や豊かな居住等総合的かつ複合的要素による連携が必要ではないか。
都市住民のための山村振興であってはだめであり、山村住民と都市住民が共存できることが重要である。また、そこに住んでいる人にとってよい環境が、そこを訪れる旅人にとってもよい環境であるべきである。


 本企画部会は、今後2〜3回開催し、国土審議会山村振興対策特別委員会として政府へ提出予定である平成11年度からの新たな山村振興対策の在り方についての具体的な意見書の草案を取りまとめることとしている。

全国山村振興連盟のホームページが開かれています。
山村の情報を知ることができます。
ホームページアドレスは、次のとおりです。

http://www.sanson.or.jp/