(パネルディスカッション)
森林の再生と住みよい山村をめざして


パネルディスカッションでは、NHK解説委員 中村靖彦氏をコーディネーターに”森林の再生と住みよい山村をめざして”と題して実施された。 パネラーは、森と村の会専務理事 古野雅美氏、岡山大学教授 目瀬守男氏、哲学者内山節氏、きりえアーチスト 柳沢京子氏、岡山県東粟倉村長 春名明氏の諸氏が努めた。

中村氏 古野氏 目瀬氏
内村氏 柳沢氏 春名氏




森林の再生について



中村氏
今、森林とか農村、農業とかがこの1〜2年議論の焦点になってきている。新しく農村に入りたい人達にセミナーを開くと、農業経営で頑張っていこうという人達も多いが、むしろ、自然の中で暮らしてみたい、自分の生きざまを見つめ直したいという人が実に多い。 そういった農山村を振興させるには、いろんな手だてが必要だし、村自体がこれからの生き方を考えていかなければならない。 まず、森林の再生についてどう考えているかそれぞれお話しいただきたい。

古野氏
林政審議会の中間報告が出たが、国有林が林野庁の森ではなく国民の森であるとした視点、これからは国土保全とか環境保全の機能を重視する森にし、国有林、民有林を含め流域単位で森林計画を考えるべきだとしている点、また、下流の受益者がたとえば基金をつくり上流の森づくりをお手伝するといった具体的に提案していることなど、私はかなり評価している。

目瀬氏
私は、土地利用計画、地域計画の観点からゾーニングをきちっとすべきと考えている。 ひとつは、集落つまり居住区のようなもの、2つ目は、農林保全区域、3つ目は、おそらく90%を占めている山林である。 そして山林をさらに、棚田保全区域、環境保全林、林業保全林の3つ位に区分してそれぞれに合った対応を、土地利用をしていったらいいのではないか。

内山氏
林野庁は、国有林管理事務所であってはならない。日本の森林をどうするか、その中で国有林がどういう役割を担うのかという順序で考えてもらわないと困る。 日本の森林は、すべて所有者がいる。ところが今は、森林の所有者以上に下流の人々が受益者になっている。 そこで、国民参加とか市民参加の共有の森づくりをし、下流の受益者というのと所有している森の管理ということをいかに調和させていくかが、これからの森を考えていく上で基本軸にならなければいけないと思う。

柳沢氏
浅間山のふもとの小川のある、稲の実る小さな村で生まれ、そういう信州らしい風景を紙に刻む切り絵という仕事をしているが、景観が美しく保たれていないと題材がなくなってしまう。デカップリングとか森林交付税とか何らかの仕組みを作って、美しい、かつての誇りを持った農村や里山を再現し、さらには森のダムとしての役目をもつ、そういうものを仕組んでいくことができないか。

春名氏
山を守っていくためには、まず山村に人が住めなくてはならない。人が住んで初めて農地や山が守れる。 今の材価は28年前の材価に等しい。林業だけでは生活できないので兼業化していく。 今のような材価では、山は守れない。植林もできない。 山村に人が住める状態を都市との交流などにより、人を動かし、ものを動かし、経済を活性化させつくりあげていく。そういうことで努力をしている。



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