全国町村会長 黒澤丈夫氏祝辞
(兵庫県氏家町長 吉澤章氏代読)


 本日ここに、全国山村振興連盟の通常総会が関係者多数のご出席の下に、盛大に開催されますことを、心からお慶び申し上げます。
 私ども全国町村会は、全国市町村林野振興対策協議会を組織し、地域林業の振興と山村地域の活性化を目指した活動を行っておりますが、全国山村振興連盟の皆様方から、日頃、格別なご支援とご協力を頂いておりますことを、この席をお借りして、厚くお礼を申し上げる次第です。
 さて、山村地域は、内外の厳しい諸情勢の下で、基幹産業である農林業の不振と停滞、若い人の流出による過疎化、高齢化が進行し、人口の自然減も加わり地域の活力が著しく低下するに至っております。加えて最近は、耕作放棄地の増加、森林管理の粗放化などの問題に直面しております。  このような中で、行政の現場を預かる私ども町村長は、山村地域の活性化を図るため、日夜、懸命の努力を行っているところであります。
 いうまでもなく、森林・山村は、美しく安全な国土・環境の保全、都市住民に対する潤いと安らぎを提供する場として国民共通の財産であり、21世紀には自然や環境に対する国民の期待は一層高まるものと思われます。このような森林・山村の持つ公益的機能が高度に発揮できるような条件を整備することが、国家の重要な使命であると考えます。
 こうした中で、国有林野事業の累積赤字が3兆5,000億円を超え、政府・与党では、その抜本的改革のための検討を行っているとお聞きしておりますが、私共といたしましては、国土の存立基盤である森林の改革は国家百年の計に立ったものであることを望むものであります。
 この際、国有林野所在市町村に特別な財政負担を強いることがないよう留意することが必要であります。
 また、国は、地方分権推進委員会の第一次勧告並びに来月末に予定されている第二次勧告にそって権限や財源の移譲を速やかに行うとともに、山村市町村の税財源の充実・強化に取り組んでいただきたいと切に希望するものであります。
 農業基本法の見直しに関しましても、中山間地域の活力の回復、自立のためにも、直接所得補償のような思い切った政策の導入が不可欠であると考えております。
 私共は今後とも、山村振興法を中心とした関連施策の拡充・強化を強く政府に申し入れて参りますとともに、全国山村振興連盟の皆様方と力を合わせ、山村地域の振興、発展に鋭意取り組んで参りたいと考えております。
 終わりに臨み、本日の総会を契機に、全国山村振興連盟がますますその組織を強化され、山村地域の活性化のため、積極的な活動を展開していただくことを心からご期待申し上げまして、お祝いのご挨拶といたします。


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