皆さんご苦労さんでございます。私も昨年、保利耕軸前委員長から引き継ぎまして自民党の山村振興対策特別委員会の委員長を引き受けさせていただいております。 昨年も挨拶をしたわけでございますが、今、非常に山村過疎のいろいろな予算関係、行革のあらしの中で、大変苦労をしております。聖域なしに削ろうというのですから、やはり一番厳しい農山村というものが犠牲になるような問題が多分に露出している。我々としては、なんとしてもこれらの問題に前向きに取り組んで、従来の既定方針を曲げないように努力をしていかなければならないと思っております。今日は林野庁長官も見えておりますが、山村の問題も、昨年私農林水産大臣をやりまして、非常に腐心をしたところでございます。おかげさまで、私がいる時に計画をいたしました林政審議会が、基本問題の議論をこの夏までに結論を出します。総理大臣の下におかれた審議会でありますから、今、勢力的に取り組まれております。その中で、水源税の問題があります。これは1回、羽田先生、大河原先生今日お見えでありますが、大変なご苦労をいただいたにもかかわらず、成果をあげ得なかったのであります。 昨年の臨時総会で、私、ここで水のサミットでの話をいたしました。東京都知事、神奈川県知事、千葉県知事“水を下さい、水を下さい”とおっしゃる。しかし、皆さん方の振興山村では、今、国土庁長官からお話がありましたが、面積は全国の5割を占めるにもかかわらず人口は4%しか住んでいない。その人に“水をくれ、緑をくれ”と言ったってどだい無理であります。お金持ちはあんたの所に住んでいるのですよ、誰がこれに責任をもつべきであるかという逆質問を私からさせていただきました。 それから間もなく、神奈川県の岡崎知事が、私も大蔵省出身でございまして、彼は私の後輩でありますが、いいことを言いました。やはり農林水産大臣が言ったように、“都会の人がこの問題については責任をもたなければならない”という考えを出して、「水道料金を上げます、その一部分を山へ還元いたします」という発言をされました。それから数カ月たって、テレビでも皆さんご覧になりましたように、水道料金を山へ還元するという方針をしっかり打ち出しました。 水源税というとハードな議論になってしまいます。税という名がつくといやだいやだという人ばかりですから。「だから、“水と緑の負担金”とこういうようにソフトな発想でもってアプローチしていかなければいけない」と、昨日も林野庁長官と私と議論をいたしたところであります。どうかひとつそういうものを森林山村のために作っていただかなければ、切った後に木を植える人は、これから日本にひとりもいなくなるのであります。 ですから、限りなくゼロ金利に近い政策植林金融を早く樹立しなければ、日本の山は必ず荒廃するでありましょう。これらの問題にも、今日は自民党のそうそうたる林業、農林水産に熱心な議員の方々がお集まりでありますので、一緒になって取り組んでまいりたいと思います。 どうか厳しい中ではございますが、皆様方のご健勝をお祈りいたしますとともにさらにまた、羽田先生には長い間いろいろご指導をいただきまして、私からも厚くお礼を申しあげましてご挨拶といたします。 |