全国山村振興連盟は、平成25年7月5日(金)午前10時30分から千代田区永田町の全国町村会館2階ホールにおいて平成25年度第1回理事会を開催した。
 最初に、中谷会長から挨拶があり、その後、今回新たにに理事に就任した衆議院議員 宮下一郎先生から挨拶があった。
次いで、来賓として出席された農林水産省農村振興局 米田博次 中山間地域振興課長、国土交通省国土政策局 長崎 卓 地方振興課長、総務省自治行政局地域力創造グループ 出口和宏 地域振興室長及び林野庁 原田隆行 森林利用課長から挨拶をいただいた。
 挨拶終了後、岸事務局長から、任期満了に伴い新たに就任した副会長の紹介が行われた。その後議事に移り、竹ア会長代行が議長を務め、第1号議案 平成24年度事業報告に関する件、第2号議案 平成24年度収支決算に関する件、第3号議案 平成26年度山村振興関連予算・施策に関する要望(案)に関する件について審議が行われた。
 理事会終了後、副会長が中心となって、関係省庁に対し要望活動を行った。

 理事会の内容は、次の通りとなっている。

【中谷 元 会長(衆議院議員)挨拶要旨】
 理事会を開催しましたところ、役員の皆様には全国各地から上京していただきまして、有難うございます。また、宮下先生、関係省庁の課・室長さんに出席いただきまして有難うございます。皆様には日頃から山村振興のために大変なご尽力いただいておりまして、心から感謝申し上げます。
 役員の皆様はそれぞれの地域の責任者ということで山村地域における行政並びに住民自治、サービスの実行につきまして、大変なご尽力をいただいているところであります。高齢化が進み、過疎化も歯止めがかかっていないような状況ではありますが、山村の役割は水、空気、国土保全など非常に公益的なものがあるわけでして、山村を国策の中で位置付けてもらうべく全国の皆さんが集まってこの全国山村振興連盟を結成しております。かなり歴史と実績のある組織でありまして、こういう時代だからこそ、この連盟は大事だという意識を持ちまして、取り組んでいる最中であります。
 3年3ケ月政権を失っておりまして、自民党は昨年の暮れの総選挙を通じて政権に復帰しました。この間、政治が決められないというような状況もありましたし、政治家と官僚の関係も円滑に行っていないようなこともありましたが、今の政権ではとにかく地域の声を吸い上げてそれが行政に活かされるよう全力を尽くしている最中であります。
 政権復帰後、まず、15か月予算を編成し、山村に対する予算も総額において厚みを増しております。農村集落の活性化ということでハード、ソフトの事業の充実、また、鳥獣被害防止のための予算も充実されました。
 現行の山村振興法が平成27年3月末に期限を迎えますが、現状を見るにつけ、山村振興法による法的根拠の必要性がなお一層高まっていると認識しており、その延長と内容の充実をしなければならないということで、関係省庁の協力をいただいて、その準備を進めてまいりたいと思います。このことについて皆様のご意見もいただきたいと思います。
 今、参議院議員選挙が行われていますが、自民党は「J-ファイル2013 総合政策集」の中で中山間地域対策や地域振興策を取り上げています。TPPについては、農林業や漁業など一次産業はしっかり守るということ約束しておりますので、これを実現すべく、国益が守れるよう総力を挙げてまいります。農業、林業の将来ビジョンにつきましても、10年間の目標を立て、10年間で所得が倍になることを目標にしてそれに向かって努力することにしております。目標を立てたから必ず倍になるというものではありませんで、それに向かって努力すれば成果が出てきます。丁度50年前の高度成長時代に所得倍増という目標を掲げましたが、その目標は当時の日本人が非常に努力して成し遂げました。しかし、それによって地方特に山間部で人口の流出など弊害が起こったわけでありまして、今度は地方で逆に所得が倍増できるようにということで、いろんな政策を掲げております。農業については、農地バンクというものがありますが、そういうものを通じて農地特に耕作放棄地などが新たな担い手で利活用できるようにする、多面的機能を有する農業、林業に対してそれに着目した対策を講じる、川下戦略としては、6次産業化で山村で付加価値を付けて流通に回していく、輸出倍増ということで海外に木材や農産物を輸出していく、というようなことを盛り込んでおり、国をあげて総力をあげて取り組んでいくことにしています。宮下先生が経済産業部会長をしていますので、物流とか川下戦略においては、共に協力して取り組んでいきたいと思っています。
 本日の理事会は概算要求に向けての要望書、事業報告、収支決算が議題ですが、ご審議いただきますようお願い致します。

【宮下一郎 理事(衆議院議員)挨拶要旨】
 長野県第5区選出の宮下一郎です。このたび理事を拝命することとなりました。私の地元も、今日、副会長の泰阜村の松島村長がお見えですが、泰阜村を含めて中山間地域を多く抱える地域であります。私も3年3ヶ月議席を失って地域を歩き中山間地域の魅力、すばらしさを改めて再認識させていただきました。こうした山村が元気になってこそ日本が元気を取り戻すことになると感じているところであります。中谷会長の下でしっかり、政策の勉強をさせていただきたいと思っています。
 小学生を一週間とか10日間農村、山村、漁村に行かせて、生活を体験してもらう、そうしたプロジェクトを推進するグループにも所属させていただいたり、また、都市計画法に対応して農山漁村の計画法というような枠組で山村も含めて支援を出来ないか、勉強をさせていただいております。
 これを機会にさらに努力してまいりますので、皆様方のご指導、ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

【米田博次 農林水産省中山間地域振興課長 挨拶要旨】

 農林水産省では本年1月に「攻めの農林水産業推進本部」を設置致しました。農林水産業の潜在力を最大限に引き出すとともにその多面的機能を十分発揮させることができるよう、農山漁村の活性化に向けた各種施策の具体化に向け検討を進めているところであります。
 また、先ほど会長からお話がありましたが、5月15日に成立しました平成25年度予算におきましては、中谷会長をはじめ国会議員の皆様のご指導もいただき、東日本大震災からの復旧・復興対策などの災害対策の推進をはじめ、中山間地域等直接支払制度の拡充、都市との共生・対流を推進する施策の創設など山村を含む農山漁村地域の活性化に向けた取組みの充実・強化を図ったところです。
 中山間地域等直接支払制度につきましては、本事業を実施している集落が未実施集落と連携して人材の確保に向けた取組みを行う場合に新たな加算措置を講じるといった拡充を行いまして、予算額で対前年度比110%、285億円計上しました。
 鳥獣被害対策については、24年度補正予算において緊急的な捕獲活動を支援するものとして129億円を、また、25年度予算において地域ぐるみの被害防止活動等を総合的に支援するということで、昨年度と同額の95億円を計上し、対策の更なる充実・強化を図ったところです。
 25年度から新たに都市と農山漁村の共生・対流の交付金を創設しました。本施策により、農山漁村の持つ豊かな自然や「食」を観光、教育、健康等に活用する、集落連合体による地域の手づくり活動を支援しまして、都市と農山漁村の共生・対流をソフト、ハードの両面から支援する仕組みを作りました。
山村振興対策の実施に当たりましては、基幹産業である農林水産業の振興に加えて、生活環境整備をはじめとした定住促進対策など産業政策と地域政策を総合的に実施していくことが必要と考えています。
 山村振興法の期限は平成27年3月となっており、昭和40年の法制定から50年目の節目ということであります。今後、これまで実施してきた施策の効果も検証しつつ、現場の声や実態を十分に踏まえ、山村振興対策を講じていく必要があると考えています。
 中谷会長をはじめ関係する国会議員の皆様方やご列席の皆様のご意見をしっかり伺いながら、また、関係省庁、関係団体とも連携を図りながら、皆様と一緒になって山村振興対策を推進してまいりたいと考えています。

【長崎 卓 国土交通省地方振興課長 挨拶要旨】
 国土交通省は国土を支えるインフラの整備、維持管理ということを主要な業務としております。例えば、山村地域と都市とをつなぐ道路のネットワーク、高齢化が進む中で重要性の増している公共交通、特に山間部でのバス交通をどう維持していくか、人口が減少していく中でいくつもの集落に分散していては生活機能を維持していけないのでどこかに集約して機能を維持していこうと、これはちいさな拠点という言い方をしておりますが、そういった政策を打ち出して地域の生活環境維持していくための取組みなどいろいろ努めております。
 また、中谷会長から川下施策というお話もありましたが、山村地域の主要な産物である木材の需要拡大という観点で、住宅とか建築分野における木材の需要を拡大するための方策にも取り組んでいます。24年度から住宅局でやっていますが、地域型住宅ブランド化事業を始めました。これは、木材の生産者の方々から設計・施工・工務店に至る方々が地域においてグループを組んで優良な地域材を使った木造住宅を供給していくことに対して一戸当たり最大100万円まで補助金を出しますという事業です。去年これに取り組むグループを募集したところ700を超えるグループから応募があり、最終的に478グループが採択されて、地域材を使った優良木材住宅が実際に供給されたと伺っています。本年度もこの事業は続けております。
 また、一般建築の分野でも従来は例えばコンクリートとか鉄とかでつくっていた事務所とか倉庫とかにもどんどん木材を使っていこうということで、そういうことに先導的に取り組む事業者に対して補助を行う木造建築技術先導事業にも現在取り組んでいます。
 インフラの整備あるいは生活環境の整備さらには産業を間接的に支える様々な取り組みを国土交通省として進めています。今後ともこうした取り組みを関係省庁と連携して一生懸命進めてまいります。

【出口和宏 総務省地域力創造グループ地域振興室長 挨拶要旨】

 山村地域は申すまでもなく国土の保全をはじめとした多くの役割を果たしておりますが、一方で過疎化・高齢化に伴って集落機能が低下するなど山村地域を取り巻く環境は大変厳しいものだと認識をしています。総務省においては、地域の活性化なくして日本経済の再生はないとの思いの下に「地域の元気創造本部」を立ち上げました。「まちの元気で日本を幸せにする」をミッションとして掲げ、「地域の元気創造プラン」を作成し、現在推進しています。このプランでは産学官に加えて地域金融機関を加えた産学官金が連携して「地域のモノやチエを活かす」、「人や投資を呼び込む」とのビジョンを持って活性化に取り組むこととしております。再生可能エネルギーの地域での展開をはじめとして山村地域が抱えている資源を活用し様々な取り組みを応援したいと考えています。
 また、地方財政に関しましては、平成25年度におきましても必要な地方交付税総額を確保した他、鳥獣被害対策など山村振興対策についても引き続き必要な措置を講じることとしております。
 ICT関係につきましては、条件不利の解消という観点から、携帯電話のエリア整備の推進とか、超高速ブロードバンド基盤整備を実施する地方公共団体等に支援することとしています。

【原田隆行 林野庁森林利用課長 挨拶要旨】

 森林利用課は今年の組織再編でできた新しい課です。まさに山村の重要な資源である森林をいかに重要な資源として使っていくかということで知恵を絞るのが当課ですので、よろしくお願いします。
 わが国の森林は、ようやく戦後一生懸命植えてきた人工林が充実してきて、いよいよこれを使って林業・木材産業を昔のように山村地域の基幹産業として取り戻していかなければならない、そういうような時期を迎えていると思います。そのため、様々な施策を進めさせていただいていますが、林野庁においては、なにはともあれ、間伐の推進、路網の整備や治山対策など森林の整備と保全を進めるとともに、公共建築物の木造化をはじめとする国産材需要の推進にも取り組んでいます。この法律に基づく木材利用の推進方針につきましても1,700を超える市町村の1,100以上の市町村において方針をお立ていただいていますが、これがさらに拡がっていき、方針から実際の建築物の木造化に進んでいくことを願っているところです。
 今年度の予算及び24年度の補正予算で措置をしていただきました施策等についていくつかご紹介させていただきます。
 地域住民が中心となった活動組織が、侵入竹の伐採・除去、集落周辺の里山の保全、薪の利用が増えている中での広葉樹の整備など、様々な活動を行うことに対して定額助成を行う「森林・山村の多面的機能発揮対策」で、25年度予算に30億円措置しています。この事業は本格的な林業という面では難しい里山の保全であるとか、あるいは、小規模な自伐林家の方々の活用など幅広く活用できると考えていますので、皆様の地元でも活用いただきたい。
 24年度補正予算におきましては、適切な地域材の利用拡大を図るということで、「木材利用ポイント」制度を発足させ、その受付を7月1日から開始したところです。今年度、基本となる資材や内装に木材を使用した場合、30万ポイント(1ポイント1円)を付与する仕組みです。410億円という大変大きな予算を計上しています。
ホームページへのアクセスも多くなっています。国土交通省においても木造化を推進していただいていますが、タイアップしながら、木材を使うことが山に良いことだし、山が良くなることが山村の復興につながる、そういったことに国民の皆様方の理解が深まるよう取り組んでまいります。
 間伐を集中的に推進していくための間伐特措法の期限が平成24年度まででしたが、2020年に向けて間伐を推進していくため、平成32年度までの8年間、先々月の国会において延長していただきました。市町村においては、同法に基づく特定間伐等促進計画の作成につきまして、引き続きご理解とご協力をいただきたいと存じます。
 過疎対策事業債については、従来から林道等の施設整備いわゆるハードについては事業対象と認められていましたが、平成22年から過疎地域自立促進特別措置法の改正によりまして、新たにソフト事業についても対象と認められることとなったところです。これによりまして、過疎団体におかれましては、間伐等の森林整備を含む様々な事業について自立促進計画に位置付けていただければ過疎債の対象とすることができますので、是非ご活用いただきたいと存じます。
 国有林野事業については、昨年6月に成立しました「国有林野の管理経営に関する法律等を改正する法律」によりまして、この4月から一般会計に移行しました。一般会計移行後におきましては、森林・林業再生や地域の振興のために様々な貢献をしたいと思っています。引き続き、民有林との連携をしっかり取って、貢献できるよう努めていきたいと思っています。 
 林野庁としては、引き続き、森林・林業・木材産業の活性化を通じて山村の振興に向けてより一層努力していきたいと考えてています。会員の皆様のご理解とご協力また連盟のご支援をよろしくお願いします。


◎挨拶をいただいた方以外の政府関係の出席者(敬称略)
   林野庁     山村振興・緑化推進室長      今泉 裕治
   農林水産省  中山間地域振興課課長補佐    益田 健太
   農林水産省  中山間地域振興課調整係長    加藤 邦彦
   国土交通省  地方振興課課長補佐         後藤 高広
   林野庁     山村振興・緑化推進室課長補佐  松本 康裕

【議 事】
 竹ア会長代行のもとに議事が進められた。
○ 第1号議案 平成24年度事業報告に関する件
○ 第2号議案 平成24年度収支決算に関する件
  第1号議案及び第2号議案について、岸事務局長が内容の説明を行い、
  佐々木監 事から監査報告が行われ、両案は原案通り承認された。
○ 第3号議案 平成26年度山村振興関連予算・施策に関する要望(案)に関する件
  岸事務局長が内容の説明を行い、審議の上、承認された。
○ その他

 岸事務局長から「山村振興法については、先程ご説明しましたように、平成27 年3月末に期限が到来します。私共としましては、山村の厳しい現状の中でこれま で以上に山村振興が必要であり、そのための法的根拠が必要であると思っています。 連盟としてその延長と内容の充実に向けて、どういったものを盛り込んでいけばい いのかというようなことを中心に検討していく必要があると考えています。このた め、昨日の副会長会議において7人の副会長を構成員として「山村振興法改正問題 検討会」の設置が決定されました。スケジュールとしては、来年の夏までに中間報 告、暮れまでに本報告ということにしています。役所の協力も得ながら検討を進め ていきたいと思っています。」との報告があった。

 理事会で承認された「平成24年度事業報告」及び「平成26年度山村振興関連予算・施策に関する要望」は次の通りとなっている。


平成24年度事業報告
 
1. 山村振興施策に関する提言及び政府予算対策
  (1)平成25年度山村振興関連施策・予算、税制改正要望
    @ 7月の理事会において要望事項を決定し、副会長を中心に関係省庁に対し要請活動を実施。
    A 11月の通常総会において、平成25年度山村振興関連施策・予算に関する要望事項を決定し、副会長を中心として政府及び国会議員に対し要請活動を行うとともに、各支部において要請活動が行われた。
    B 新政権発足(平成24年12月26日)に伴い、緊急経済対策の策定、平成24年度補正予算の編成、平成25年度概算要求の入れ替え等が行われることを踏まえて、「山村振興に係る平成24年度補正予算、平成25年度予算・税制改正に関する要望書」を平成25年1月11日に自由民主党、公明党、農林水産省、財務省の責任者に提出した。
    C 7月に平成25年度税制改正に関して、農林水産省に対しては「地球温暖化対策税制に関する要望、振興山村地域における租税特別措置の延長と対象業種の追加の要望」を、経済産業省に対しては「地球温暖化対策税制に関する要望」を行った。
 11月21日に開催された自由民主党農林部会及び農政推進協議会の合同会議の場において、「地球温暖化対策税制に関する要望、振興山村地域における租税特別措置の延長と対象業種の追加の要望」を行った。
    D 平成24年度補正予算案は1月15日に閣議決定された。
平成25年度税制改正大綱は1月24日に決定され、平成25年度政府予算案は1月29日に閣議決定された。
  (2) 木材(丸太)価格下落に対する対応措置に関する特別要望
    平成23年末頃からの木材価格の下落について、7月の理事会において、中谷会長から自由民主党において対応策の検討が約され、自由民主党林政調査会及び農林部会は合同で「木材(丸太)価格下落に対する政府への緊急申し入れ」を郡司農林水産大臣及び羽田国土交通大臣に対し行った。
 当連盟においても、10月の理事会及び11月の総会において、「木材(丸太)価格下落に対する対応措置に関する特別要望」を決定し、関係省庁及び国会議員に対し要請を行った。
  (3)TPP参加反対の要望
    TPP参加反対については、7月及び11月に関係方面に要望を行ったが、2月7日に開催された「TPP参加の即時撤回を求める会」(会長:衆議院議員 森山 裕)に対して要望を行った。
       

2.山村をめぐる諸問題についての情報の収集、調査、検討

  (1)山村をめぐる諸情報を関係省庁をはじめ各方面から収集し整理を行った。
  (2)「森林・山村対策に関する懇談会」を平成25年2月14日(木)、全国町村会館にお
 いて、次のテーマと講師により実施した。町村長副会長、理事、監事等21名が出席
 した。
      テーマ「山村に係る地方財政措置について」
  講師 総務省自治財政局調整課長       内藤尚志 氏 
テーマ「これからの山村振興対策について」
  講師 農林水産省中山間地域振興課長    米田博次 氏

   その内容については、冊子「森林・山村対策に関する懇談会報告(]\)」として取
  りまとめ会員に配布した。
       
3.山村振興を図るための啓発・普及活動の推進
  (1) 全国山村振興連盟のホームページに当連盟の紹介、全振興山村のリンク、山村からの提言、山村へのメッセージ、山村振興施策(山村振興法、山村振興関連予算、各種政策等)を掲載した。
  (2) 特定非営利活動法人「地球緑化センター」が実施する「緑のふるさと協力隊」(山村で1年間生活し、農林業や村おこしを手伝う)を後援するとともに、受け入れ市町村の募集に協力した。
  (3) 5月12日(土)、13日(日)に東京都日比谷公園において開催された「第22回森と花の祭典―『みどりの感謝祭』」を協賛した。
  (4) 7月14日(土)、15日(日)に長野県木島平において開催された「全国村長サミットin木島平」を後援した。
  (5) 10月11日(木)、12日(金)に愛知県において開催された「全国過疎問題シンポジウム2012inあいち」を後援した。
  (6) 11月2日(金)及び3日(土)に岐阜県白川町で開催された「第6回全国水源の里シンポジウム」を後援した。
       
4.山村振興対策の計画的推進
   振興山村における山村振興対策を計画的・効果的に推進するため、国の山村振興対策等の事業を予定している市町村の山村振興担当者、都道府県の山村振興担当者及び連盟支部の山村振興担当者を対象に全国町村会館ホールにおいて6月8日(金)、山村振興実務研修会を開催し、約80名が参加した。この研修会では、農林水産省中山間地域振興課、農林水産省鳥獣被害対策室、農林水産省農村整備官、林野庁計画課、総務省地域通信振興課及び国土交通省交通支援課の担当官から所管の事業について講演が行われた。
 
5.会員等への情報の提供
(1)「山村振興情報」を年間12回(毎月1回)発行した。
  また、ホームページにも掲載した。
(2)事業計画、収支予算、事業報告、収支決算等理事会での決定事項は、理事会終了
  後、直ちに会員に連絡した。
(3)山村振興に関連する各種情報は、ホームページに掲載し、会員に提供した。
       

6.山村振興全国連絡協議会への助成

  各都道府県の山村振興担当課長で組織している山村振興全国連絡協議会に対し助成を行った。また、6月7日に開催された総会に出席するとともに、各ブロックの会議に出席し、情報交換等を行った。
 
7.各種会議会合等
  省略
 
平成26年度山村振興関連予算・施策に関する要望

 山村地域の振興につきましては、日頃から格別の御配慮を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、近年、山村を取り巻く環境は、過疎化・高齢化の進展、耕作放棄地の増大、鳥獣被害の多発に直面する中で、厳しさを増しております。我が国の山村は、日本人としての精神の原点として我が国を支えて来た力の源であり、一方では水資源、エネルギー資源を守り、国土保全に貢献してまいりましたが、集落機能の衰退が進み、崩壊の危機に瀕していると言っても過言ではありません。
 また、山村地域は、道路、情報通信、生活環境等の整備水準は依然として低位な状況にあり、その改善なしには、山村を取り巻く危機的な悪循環は断ち切れません。さらに、鳥獣被害対策や山村の資源を活用する様々な取り組みを効果的に展開するとともに、集落機能の活性化等の取り組みを行っていく必要があり、このような対策を総合的かつ強力に打ち出していく必要があります。
 このため、政府・国会におかれては、山村地域の振興こそが、国全体の発展につながるということを十分御認識いただき、山村振興を国の重点課題に据えて、下記事項の実現を図っていただくよう強く要望致します。
     

T 東日本大震災等の復旧・復興等
  1. 東日本大震災については、関係省庁連携のもと、被害が生じた山村地域における 復旧・復興対策を早急かつ強力に推進すること。特に原発事故放射性物質の除染等を早急に行うとともに、放射性物質の影響を大きく受けている特用林産物栽培農家対策に万全を期すこと。
  2. 近年、気候変動等により、多発、大規模化している災害に対処するため、国土強靭化対策を推進し、災害に強い山村づくりに取り組むこと。また、災害発生時の的確な情報提供システムの整備を図ること。
U 山村振興対策の総合的・計画的推進
  1. 山村振興計画に基づき、関係省庁の一層の連携強化のもと、山村振興対策を総合的かつ計画的に推進すること。
  2. 山村地域における農林水産業等地域の基幹産業の振興、生活環境の向上等を図るための施設の整備等の取り組みに対する助成措置の充実・強化を図るとともに、自立的な地域活性化を支える人材育成への支援に取り組むこと。
  3.  山村地域の活性化を図るために不可欠な辺地対策事業債及び過疎対策事業債の十分な確保を図ること。
  4. 農山漁村地域活性化対策、森林・林業振興対策(以上「地方財政措置」)の充実・強化を図ること。
V 多面的・公益的機能の持続的発揮
  1. 山村の果たしている重要な役割や木の文化について、児童生徒を含め国民一般の理解を深めるための教育・啓発・普及対策の充実・強化を図ること。
  2. 森林が二酸化炭素吸収源として大きな役割を担うことを踏まえ、計画的な間伐等の森林施業とこれと一体的となった森林作業道の開設を直接支援する「森林管理・環境保全直接支払制度」の充実・強化を図ること。また、森林所有者等による計画的な森林施業が適切に行われることを確保するため、「森林整備地域活動支援交付金事業」の充実・強化を図ること。
  3. 国土保全や生活環境整備を図るため、治山、治水及び砂防対策の充実・強化を図ること。また、水源の涵養、自然環境の保持等国土保全に資する事業を対象とした「国土保全対策」(地方財政措置)の継続実施を図ること。
  4. 山村地域に期待される森林吸収源対策、再生可能エネルギー対策を強力に推進す るため、地球温暖化対策のための税の活用、森林環境税の創設等に係る所要の税制措置を講ずるとともに、地方税財源を確保・充実する制度を創設すること。
W 山村地域の活性化
  1. 山村地域における農林水産業の維持・活性化を図るため、「中山間地域等直接支 払交付金」、「農地・水保全管理支払交付金」及び「耕作放棄地再生利用緊急対策交付金」の充実強化を図るとともに、森林の維持管理を支える山村の地域活動や林家の取り組みに対する支援策を充実強化するための直接支払い制度を創設すること。
  2. 農山漁村の地域活性化と地域コミュニティーの再生を図るための「都市農村共生・対流総合対策交付金」及び「森林・山村の多面的機能発揮対策交付金」の充実強化を図ること。
  3. 山村地域における農林水産業の振興、生活環境の向上を図るため、「農山漁村活性化プロジェクト支援交付金」及び「強い農業づくり交付金」の充実強化を図ること。
X 産業の振興、地域資源の活用
  1. 山村地域の発展には、地域資源を活用した産業振興が不可欠であり、農林水産業の振興とその6次産業化の推進を図るとともに、森林資源、農地等の土地資源、優れた環境等を活用した新たな企業立地の対策を充実・強化すること。
  2. 森林資源を活用した地域振興を図るため、川上から川下に至る一貫した林業、木材産業の振興対策の拡充強化を図るとともに、地域の自主性を尊重しつつ持続的森林経営、木材利用促進を行うための「森林・林業再生基盤づくり交付金」の充実強化を図ること。
  3. 森林経営計画を見直し、現場の実情に即した施業、間伐を推進するほか、林業施業の低コスト化、再造林対策の強化を図ること。
  4. 林業・木材産業、農業等山村地域における産業の担い手の育成確保対策の拡充強化を図ること。
  5. 木材価格の安定対策の強化を図るとともに、公共建築物、公共土木分野等における国産材活用の推進、鉄骨構造の木骨構造への転換の推進、木材・木製品の輸出促 進を図るほか、地域材を利用して住宅を建築する者等へのポイント付与等により木材の利用促進を支援する制度を充実・強化すること。
  6. 木質バイオマス産業化を促進するための施設整備、システム開発を図ること。また、農山漁村における再生可能エネルギー導入の促進を図る取り組みを支援するための対策の充実・強化を図ること。
Y TPP交渉
   TPP交渉に当たっては、山村地域の最大の懸案である米をはじめとする農産物関税の聖域が守られるよう、また、山村地域に悪影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行うこと。
Z 鳥獣被害防止
  1. 鳥獣被害防止特別措置法等に基づき、野生鳥獣の生息調査、被害軽減の技術普及を行うとともに、柔軟な猟期設定を行う等地域ぐるみの総合対策を推進すること。
  2. 鳥獣被害対策実施隊の設置促進、猟友会等の民間団体の参加促進、林業分野との連携を促進すること。
  3. 捕獲鳥獣の加工処理施設、焼却施設の設置促進を図ること。
[ 山村と都市との共生・対流
  1. グリーン・ツーリズムの一層の普及を行うとともに、地域ぐるみで行う受入体制や交流空間の整備及びNPO法人等の多様な取組主体の育成等グリーン・ツーリズムの総合的な推進を図ること。
  2.  山村における国民の幅広いボランティア活動を促進するための対策の充実・強化を図ること。
  3. 大学生を含め学校教育・社会教育において自然豊かな山村での体験活動を推進すること。
  4. 山村地域へのUJIターン者の定住促進、高齢者の地域社会の活動に参加できる機会の確保、都市との連携強化による山村の活性化の取り組みの充実・強化を図ること。
\ 道路、情報通信基盤の整備
  1. 山村地域の産業、生活基盤として不可欠な高規格幹線道路、地域高規格道路、一般国道及び都道府県道の整備、特に、市町村道の改良・舗装等、立ち遅れている山村地域の道路整備を促進すること。また、基幹的な幹線市町村道路の整備の都道府県代行に対する助成措置を講ずること。
  2. 道路整備のための財源を十分に確保し、特に、地方における道路財源の充実を図ること。
  3. 携帯電話不通地域の解消、インターネットのブロードバンド接続可能地域の拡大等デジタルディバイドの解消を図るための高度情報ネットワークその他通信体系の充実・強化を図ること。
  4. ラジオ難視聴地区の解消を図ること。
] 生活環境の整備
  1. 山村地域住民の生活交通を確保するため、地方バス路線維持、デマンドバスシステムの導入等対策の充実・強化を図ること。
  2. 山村の簡易水道等施設の整備促進を図ること。
  3. 山村地域の実情に応じて汚水処理施設の整備促進を図ること。
  4. 廃棄物処理施設の整備を推進するため、助成措置を講ずること。また、廃棄物処理施設の解体に対しては、適切な措置を講ずること。
  5. 消防力の充実を図るため、消防施設等整備に対する助成措置を講ずること。
]T 医療・保健・福祉
  1. 山村地域の小児科医を含めた医師の確保に万全を期すこと。へき地診療所等の運 営、医療施設・保健衛生施設の整備、医師及び看護師の養成・確保に対する助成措置の充実・強化を図ること。
  2. へき地保育所の運営、高齢者等の社会福祉施設整備、社会福祉関係職員等の養成・確保に対する助成措置の充実・強化を図ること。
]U 教育・文化
  1. 公立学校施設整備、スクールバス等の購入に対する助成措置を講ずること。
  2. 寄宿舎居住費等へき地児童生徒に対する助成措置を講ずること。
  3. 山村地域の文化財の保護等に対する財政措置を講ずること。
]V 山村地域の自主性の確立
  1. 財源保障機能及び財源調整機能を果たす地方交付税制度の充実・強化を図り、所要額を確保すること。
  2. 基準財政需要額の算定に当たっては、山村自治体が人口割合に比べて広い面積を有し、国土保全、地球温暖化防止等に重要な役割を果たしていることを考慮し、面積要素を重視するなど、山村地域の実情に即したものとすること。
  3. 独自の発想に基づく山村振興を助長するため、山村地域の自主性を尊重する助成措置、規制緩和措置等の幅広い導入を図ること。
  4. 道州制は絶対に導入しないこと。
]W 山村振興法の改正
   山村振興法が平成27年3月に期限を迎えることに臨み、都市との生活水準の格差 拡大、過疎・高齢化、鳥獣被害の増大等山村地域の抱える問題点を踏まえ、山村の維持活性化に必要な諸施策を充実させる観点から、山村振興法の延長及びその内容の充実を図ること。
     


《前へ》《次へ》