平成28年7月の理事会における宮腰会長挨拶要旨

【宮腰光寛 会長挨拶要旨】

宮腰光寛 会長 写真
宮腰光寛 会長

皆さんおはようございます。全国からお集まりをいただき、有難うございます。

理事会に先立ちまして、まず、先般の熊本地震により被災された市町村に対しまして心からお見舞い申し上げますとともに、お亡くなりになられた方々に心からご冥福をお祈り申し上げます。会長代行の竹﨑芦北町長におかれましては、まだ続く地震の中で大変なご苦労をしておいでになるわけでありますが、これからも我々やることがあれば一生懸命頑張ってまいる気持ちでおりますので、是非引き続きしっかりとした対応をお願いします。なお、参議院議員選挙が終わりましてから、私共衆議院の農林水産委員会で芦北町ではありませんが被災地を視察させていただこうと思っておりますので、よろしくお願いします。

本日は全国からお集まりいただき、さらに、農林水産省、林野庁、国土交通省及び総務省の皆さま方にもご出席を賜りましてありがとうございます。
昨年は山村振興法の改正があり、あるいは年末には税制改正において森林環境税の具体的検討を進めるということが決まり、一歩前進したのではないかという風に思っております。

また、今年の通常国会においては山村と極めて関係の深い森林法の大きな改正がありまして、所有者不明森林あるいは境界が不明な場合であってもなんとか森林整備を進められるような改正を行ったところであります。ただ、やはり、都市も地方も同じでありますが、例えば空き家問題とか憲法上の財産権の保護を乗り越えるということが一つ一つの法律ではなかなか難しいという面がありまして、戦後71年を迎えた今、その点についてもしっかり考えていくことが必要ではないかという風にここ最近ずっと考えている次第であります。自民党におきましては、保岡先生を中心として法務関係の部会等で空き家問題、耕作放棄地問題というようなことを検討しているわけでありますが、なかなか正直言って前に進まないという状況であります。何とか知恵を出しながら、現状の中でもしっかりと森林整備あるいは農地問題等を乗り越えられるよう努めてまいりたいと思っています。

その他に今国会では、違法伐採木材対策の法律が成立しました。「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律」ということで、できる限り合法的に伐採された木材の利用を促進していくということで、「グリーン購入法」は公共関係だけでありますが、この法律は民間についても登録制度を作って登録機関に登録することで合法伐採木材を使っている業者であることを明確にし、川下に着目して合法伐採木材の利用を進めていくというものであります。全会一致の議員立法ということでありまして、これから実際に進んでいくのではないかという風に思っております。

私も先月沖縄県の7つの離島を回ってまいりました。沖縄県には沖縄振興一括交付金の仕組みがありまして、極めて使い勝手のいい交付金の仕組みを活用して、例えば島々の歴史の再現でありますとか、さらには仕事を作っていくということで新しく陸上養殖に取り組んでいくとか、一生懸命頑張っておいでであります。山村においても山村活性化支援交付金という仕組みができたのでありますが、必ずしも金額的にも制度的にも十分ではないという風に思っておりまして、沖縄県の例がそのまま参考にできると思っておりませんが、できる限り山村施策の充実に努めていかなければいけないということを改めて実感させていただきました。

本日は、来年度の施策に対する当連盟の要望事項等につきまして議論していただき、しっかり国の方に要望させていただきたいと思っていますが、国の各省庁の皆さんにおかれては正面からしっかり受け止めていただいて、山村が抱える問題について是非前進させていただきますようお願い申し上げます。