平成30年11月の通常総会における荒木会長挨拶

【荒木泰臣 全国町村会長 挨拶(熊本県嘉島町長)】

荒木泰臣 全国町村会長

ただ今、ご紹介をいただきました全国町村会長の荒木でございます。全国町村会を代表して一言ご挨拶申し上げます。
本日ここに全国山村振興連盟の平成30年度通常総会が、関係者多数のご出席のもと盛大に開催されますことを心からお慶び申し上げます。
また、皆様方には、日頃より全国町村会の活動に格別なご支援を頂いており、この場をお借りして熱くお礼申し上げます。

はじめに、本年発生した北海道胆振東部地震や平成30年7月豪雨、相次ぐ台風等の災害は、各地に甚大な被害をもたらしました。犠牲になられた方々のご冥福をお祈りしますとともに、被災された地域の皆様に対し心よりお見舞い申し上げ、被災地の一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。

近年の大規模・複雑化する災害への対応は急務ですが、山村は、常に自然との関わりの最前線に立ち続けてきた地域であります。災害とも背中合わせの山間地で自然と共生しながら、林業・林産資源、水やエネルギーを供給し、国民共有の財産である森林を守り育て、集落のくらしと伝統文化を継承してきた地域が山村であります。

都市地域に先行して人口減少・高齢化をはじめとする諸課題を正面から受け止め、山村の営みの中で蓄積された経験・知恵を生かし、地域資源の域内循環に積極的に取り組む活動は、国連の提唱するSDGs(エスディージーズ)とも重なる理念であり、持続可能な社会の実現につながるものとして、今や世界が注目するまでになっております。

そのような中、皆様とともに私どもの長年の悲願でありました森林環境税及び森林環境譲与税が実現することとなり、次期通常国会での成立をめざしております。そして来年度からは「新たな森林管理システム」がスタートすることになります。
森林整備に必要な恒久的で安定的な財源の確保と、森林の適切な管理・保全が図られることになりますが、私どももこのような新しい動きをしっかりと受け止め、町村としての役割を果たしてまいりたいと存じます。

また、最近では若い世代を中心に、農山村地域と多様な関わりを持ち、都会から地方をめざす「田園回帰」の人の流れが高まってきております。全国町村会といたしましても、この潮流をさらに加速させ、都市と農山村が共生する社会の実現をめざし、皆様と力を合わせて努力を重ねていく所存です。

結びに、貴連盟のますますのご発展と、ご参集の皆様方のご活躍を祈念いたしまして、お祝いのご挨拶といたします。

平成30年11月29日

全国町村会長  荒木 泰臣