令和2年11月の通常総会における荒木会長挨拶

【荒木泰臣 全国町村会長 挨拶(熊本県嘉島町長)】
ただ今、ご紹介頂きました全国町村会長の荒木でございます。
本日ここに全国山村振興連盟の令和2年度通常総会が、関係者多数のご出席のもと盛大に開催されますことを心からお慶び申し上げます。
また、皆様方には、日頃より全国町村会の活動に格別なご支援を頂いており、この場をお借りして厚くお礼申し上げます。
はじめに、依然として厳しい状況が続く新型コロナウイルス感染症対策に第一線の現場で献身的に当たられている医療関係者をはじめとする多くの関係の皆様に心から敬意を表しますととともに、一日も早い終息を心から願っております。
また、毎年のように災害が続きますが、本年7月豪雨災害では熊本県をはじめ東日本までの広い範囲で甚大な被害が発生しました。被災された地域の皆様に、心からお悔やみとお見舞いを申し上げ、一日も早い復興を願っております。
山村は常に自然との関わりの最前線に立ち続けてきた地域であり、広大な森林と豊かな自然環境を有し、国土の保全、水源のかん養の多面的機能の持続的な発揮に重要な役割を果たしています。
しかしながら、過疎化・高齢化の進行、適切な管理が行われない森林の増加、生活環境の整備が依然として低い水準にあるなど、その現状は厳しいものです。
そのような中、皆様とともに長年の悲願でありました森林環境税及び森林環境譲与税が実現し、昨年度から譲与税の配分が開始されました。
「新たな森林管理システム」も始まり、森林整備に必要な恒久的で安定的な財源を得て、森林の適切な管理・保全の仕組が整い、スタートしたところであります。私どもも納税者となる国民・住民の理解を頂きながら、効率的に財源を活用し、森林整備の推進など自らの役割を果たしてまいりたいと存じます。
近年は若者や都市住民が都会から地方をめざす「田園回帰」の潮流の強まりや、農山村地域と多様な関わりを持つ「関係人口」の増加といった、農山村への国民の関心の高まりとも繋がる動きが活発化しつつあります。特に、コロナ禍での地方におけるリモートワークやワーケーション、二地域居住等が注目される中で、山村の活性化に向けた関係人口の創出・拡大のため「森林サービス産業」や、菅内閣において推進するデジタル分野の一環である「スマート林業」について、一層活用しやすい環境の整備に期待しております。
全国町村会といたしましても、この流れをさらに加速させ、都市と農山村が共生する社会の実現をめざし、皆様と力を合わせて努力を重ねていく所存です。
結びに、貴連盟のますますのご発展と、ご参集の皆様方のご活躍を祈念いたしまして、お祝いのご挨拶といたします。