全国山村振興連盟メールマガジンNO96

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2020.10.16

 

全国山村振興連盟事務局

 

○ 国土の長期展望専門委員会が中間取りまとめ

 

国土交通省は 10月5日、「国土の長期展望専門委員会」(増田寛也委員長・東京大学公共政策大学院客員教授)を開き、中間取りまとめを行いました。 これは2050年までの日本の国土や暮らしに関する中長期的な課題や解決策を整理するという趣旨で検討が行われてきたものであり、東京一極集中の是正に向けて、人材や資本を地域の拠点に集約し地域内外をつなぐ「多核連携型の国土づくり」を打ち出しました。

それによると、我が国は今般のコロナ禍によりデジタル化の遅れが明白になっており、通信環境を飛躍的に改善することにより、AI・ビッグデータ・IoT などの社会実装を進め、またMaaS・シェアオフィス・テレワークを展開していくことが見込まれるとしています。

また毎年のように起こる大規模自然災害や新型コロナウイルス感染症の発生・蔓延という事態を受けて、密の回避やそれに伴うテレワークの実践等が行われており、デジタル技術も活用しながら「物から人へ」という意識転換を進め、真の豊かさを実感できる国土形成していくことが必要だとしています。

東京一極集中に代表される都市への人口集中は、交通混雑やゴミ処理問題 を生じており、また自然災害発生時のリダンダンシーや新型コロナウイルス感染症に対応した新たな生活様式なども踏まえることが必要です。その上で人口減少について、国土を広く利用し安全な地域にゆとりを持って住まう豊かな暮らしへの転換のチャンスとして捉え、「『真の豊かさ』を実感できる国土形成」を目指すべきであるとしています。

こうした中で 地方回帰の考え方も再び注目されていますが、健康・福祉・交通などの生活必需サービス・公共サービスについて公的に手当をしていくだけでなく、自助・共助・公助の適切な役割分担をし、デジタルトランスフォーメーション(DX) を進めることにより、地域の活力を創造することが可能であるとしています 。

またその際には人材・資本・エネルギーなどを地域の中心部や周辺集落の核となる場所へ集約化してそこから周辺集落に敷衍していく「コンパクト+ネットワーク」という従来の考え方を継承しつつ、「多核連携型の国土づくり」を進めるべきであるということを提言しています。

 

詳細については国土交通省のホームページから資料をご覧ください。

 

国土の長期展望専門委員会中間取りまとめ

https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/kokudo03_sg_000213.html