全国山村振興連盟メールマガジンNO90

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2020.9.4

全国山村振興連盟事務局

 

○ 2020年 8月の農林水産行政の動向

2020年 8月の農林水産行政の動向は、以下のとおりでした。

 

1 Go to キャンペーンの事業者を決定

農林水産省が実施を予定している Go to eat キャンペーンについては、8月7日までに事業者の公募を締め切り、8月25日採択を決定した。①食事券事業については33府県の35事業者を採択(36都道府県56事業者が応募)、②オンライン飲食予約事業については13事業者を決定(18事業者が応募)、③実績確認については EY アドバイザリー&コンサルティング(株)を決定(3事業者が応募)、④相談窓口・申請案内等事業者については「相談窓口申請案内委託事業コンソーシアム」を決定(4事業者が応募)した。1次募集による事務委託費は、予算469億円のうち205億円となる予定。

江藤農林水産大臣は8月27日、食事券事業につき5府県の知事(埼玉・新潟・山梨・大阪・三重)と意見交換を行った。早期実施を要請するとの意見を踏まえ「感染防止ガイドライン」を作った上で「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の意見を踏まえ決定することとしている。食事券事業の開始は早いところで9月中を目指しているが、予約キャンペーンについては、開始の時期が決まっていない。

 

2 「♯(ハッシュタグ)元気いただきますプロジェクト」を開始

農林水産省は新型コロナウイルスの感染拡大による影響が顕著な品目について販売を促進するため、「国産農林水産物等販売促進緊急対策」を実施してきたが、その名称を「♯(ハッシュタグ)元気いただきますプロジェクト」に改め、8月24日から女優の広瀬すずさんを推進役としてテレビ CM やその他の広報物への出演などで活動してもらい、国産農産物の販売促進をアピールすることとなった。

本プロジェクトのキャッチコピーについて「あなたの一口が、日本を元気にします。」とするとともに、ロゴマークも新たに作成した。

 

3 日英貿易協定 大筋合意は未決着

EU から離脱することになった英国については、日EU・EPAが暫定的に適用されているが、その期限は本年12月末 となっている。8月6日・7日ロンドンにおいて茂木外務大臣とトラス英国国際貿易大臣との間で閣僚交渉が行われ、早期の合意を目指すこととされた。

日本側としては、日EU・EPAなど過去の貿易協定の範囲内であることを前提として交渉しており、8月末までに大筋合意をすることを目指していたものの、まだ若干の期日を要することとなった。

 

4 食料自給率 1ポイント上昇し38%

農林水産省は8月5日、2019年度(平成元年度)の食料自給率を公表した。 カロリーベースでの食料自給率は38%と前年より1ポイント上昇した。プラスとなった要因としては、好天による小麦の単収上昇、畜産の生産量増加、サトウキビの糖度上昇が挙げられる。一方、マイナスの要因としては、魚介類でサンマ・サバの不漁、米の消費減退が挙げられる。

本年度から取り入れられた「食料国産率」(飼料自給率を反映しない食料自給率)は、47%と前年度よりも1ポイント上昇した。飼料自給率は 25%と前年並みとなった。

 

5 2020年上半期の農林水産物・食料輸出は8%の減少

農林水産省は8月4日、2020年上半期(1月から6月)の農林水産物・食品の輸出実績を公表した。農林水産物・食品全体では4120億円と前年同期に比べ 8.2%の減少。特に水産物1031億円(27.9%の減)、林産物 172億円(10.8%の減)が大きかったが、林水産物を除く農産物輸出だけ見ると2917億円と 1.8%の増加となった。牛肉の輸出などは減退したが、米・牛乳乳製品が諸外国の巣ごもり需要を反映して増加した。

国別には香港が13.1%の減少の879億円、米国が13.5%減の542億円となる中で、中国は755億円と4.7%の増加になっている。

 

6 その他

(1) 園芸施設共済の補償内容を拡充

9月から農林水産省は、頻発する台風・大雨被害に対応して、園芸施設共済に関し、パイプハウスについては「被災時の資産価値の8割」を上限とする保証内容を改め、特約で最大10割を補償するようにする。また被害額の下限については、 従来は「3万円超又は共済価額5%超の損害」とされていたが、ビニールの破れなど軽微な損害も対象にすることとし、損害額1万円から補償することとした。

 

(2) 7月豪雨被害2000億円に迫る

8月24日現在の7月豪雨被害の額は1935.9億円となっている。内訳は、農作物175.0億円、農地・農業用施設等915.9億円、林野833.3億円、水産11.7億円となっている。

 

(3) サンマ記録的な不漁

サンマの棒受け網漁が8月10日から船の大きさごとに順次解禁されたが、記録的な不漁となっている。北海道厚岸町での初水揚げでは、出漁した12隻の船のうち4隻だけで漁獲があり、合計600 kgと昨年の初水揚げに比べ1%の水準となった。海流が沖合いに形成され、サンマも従来よりも沖合に来遊していると言う。水産庁では、日本近海に来遊するサンマを 96万トンと昨年の3割減を予測している。

 

(4) 新たな生物多様性戦略検討会を設置

2021年5月に生物多様性条約第15回締約国会議において新たな世界目標が決定される予定であることを踏まえ、農林水産省は新たな有識者会議を設置した。生物多様性について、農林水産業者などの各主体が本業で活用し、生態系サービスと農林水産業の相乗効果を発揮するとともに、防災減災・グリーンインフラを含む各種の社会的課題の解決などに貢献したいとしている。