全国山村振興連盟メールマガジンNO50

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2019.11.1

全国山村振興連盟事務局

 

○令和元年度山村振興全国協議会東海・北陸ブロック会議開催される

10月29日(火)・30日(水)、岐阜県中津川市加子母地区の研修施設「ふれあいのやかた かしも」において、令和元年度山村振興全国協議会東海・北陸ブロック会議が開催されました。会議には、農林水産省と岐阜県・愛知県・福井県・富山県・石川県(5県)の山村振興の行政担当官15名が参加し、当連盟からも事務局長が出席しました。

1日目は東濃ヒノキの紹介、箸づくりの木工体験の後、会議において意見交換を行ったほか、地元で地域振興を行っている協議会から活動状況の報告がありました。夜は民宿・山木戸において懇親会を行いました。

2日目は現地視察で、トマト農家、かしも産直市、かしも明治座(地歌舞伎の芝居小屋)を視察しました。

会議の詳細については、追って会議概要を詳報する予定です。

 

○2019年10月の農林水産行政

2019年10月の農林水産行政の動向は、以下の通りでした。

 

1 台風19号等により広範囲で農林水産被害(10月12・13日・25・26日)

10月12・13日に関東・東北・北信越を中心に日本列島に上陸した台風19号は、各地で記録的な強風・豪雨をもたらして、多数の河川の氾濫・決壊や土砂崩れによる広範な被害を生じた。続いて10月24日から26日にかけて台風21号と低気圧によって千葉・福島県を中心に大雨となり、各地で被害をもたらした。

10月31日現在の政府発表では、両災害を合わせて死者91人・行方不明1人・住家被害約8万4000棟などとなっているが、秋の収穫期を迎えていた農林水産業にも甚大な被害をもたらした。

10月31日5時までに判明している農林水産関係の被害は、1573.1億円(うち農作物等155億円、農地・農業用施設873.2億円、林野446.8億円、水産98.2億円)となっており、農作物ではコメのほかリンゴ・イチゴ・畜産などに大きな被害があった。特に農地・農業用施設の被害は、ため池の決壊等を含み約2万か所に及んでいる。今後、被害状況の調査が進むにつれ、被害額が増大する可能性がある。

 

2 日米貿易協定に正式署名(10月7日)

交渉入りから半年という短期間でスピード決着した日米貿易協定は、10月7日、米ワシントンのホワイトハウスで、日米両政府が正式に署名した。日本側は杉山晋輔米大使、米側はライトハイザー米通商代表が署名し、トランプ大統領が立ち会った。それに先立つ10月1日、日本では「総合的なTPP等関連政策大綱改定訂に係る基本方針」が閣議決定され、国内対策の検討に着手した。

10月18日、政府は経済影響試算を発表し、日米貿易協定により農林水産物は輸入の増加等のため国内生産が600~1100億円減少すると試算した。日米貿易協定+TPP11では、1200~2000億円の減少となる。他方、経済全体としては、GDPが0.8%(2018年水準で4兆円分)増加し、28万人の雇用が増加するとしている。

 

3 豚コレラのワクチン接種を開始(10月25日)

10月3日、群馬県下で初めて野生イノシシから豚コレラが検出され、また、11日には埼玉県本庄市の養豚場で、46例目の豚コレラが確認された。

ワクチン接種に向けては、10月7日までにパブリックコメントを終えて、10月15日新しい防疫指針が施行された。接種推奨地域は、群馬・埼玉・富山・石川・福井・長野・岐阜・愛知・三重・滋賀・静岡の11県。

10月21日には、静岡を除く10県の接種プログラムが認定され、10月25日から、岐阜・富山など6県でワクチン接種を開始した。他の県も準備が整い次第接種し、当面120万頭が対象となる。

一方、日本からの豚肉輸出先である香港・マカオ・カンボジアには、副大臣が訪問し、一定の条件の下で輸出が継続できることとなった。

 

4 我が国排他的経済水域で北朝鮮漁船が沈没(10月7日)

10月7日9時7分頃、我が国の排他的経済水域(EEZ)内、大和堆付近に北朝鮮の大型漁船が現れ、水産庁の取締船おおくにが放水したところ、漁船は衝突して沈没。乗組員60人はおおくにに救助され、現場に現れた北朝鮮船に収容された。北朝鮮の漁船による違法操業は、2016年頃から目立つようになり、2018年には延べ5000件以上の退去警告を行っていた。

 

5 その他

(1)  農林水産物・食品輸出促進法案と肥料取締法改正案を国会に提出(10月11日)

前者は政府の司令塔組織として、輸出対策本部を農林水産省に設置する等の内容。後者は堆肥と化学肥料の混合を認め、原料の管理を強化する等の内容。

(2)  財政制度等審議会の部会から意見(10月17日)

財務省の財政制度等審議会財政制度分科会に設置した歳出改革部会(部会長・増田寛也元総務相)は、「日米貿易協定締結に伴う国内対策は、真に競争力の強化につながるものにすべき」との意見を表明した。